歯槽膿漏とは

歯槽膿漏とは、歯垢に潜む細菌によって歯茎や歯槽骨などの組織に炎症が起きる病気です。

歯槽膿漏は「歯茎の腫れ」「歯茎からの出血」が代表的な症状です。そして次第に症状が進行すると、「歯茎に膿が溜まる」「口臭の悪化」「歯がぐらつく」といった症状が現れるようになります。この状態で歯槽膿漏を放置していると、歯を抜かざるを得ないといったことになります。

口臭と歯槽膿漏

口臭は、歯槽膿漏の典型的な症状の一つです。
歯槽膿漏になると口腔内に細菌が増殖して、歯槽膿漏特有の口臭を発するようになります。
さらに歯槽膿漏が進行すると膿の臭いも混ざってさらに口臭を感じるようになります。

歯槽膿漏が全身に及ぼす悪影響

近年、医学的な研究で、歯槽膿漏(歯周病)による細菌が血液で循環することにより、糖尿病や心疾患に深く関わっていることが分かってきました。また、歯周病にかかっている妊婦さんは、早産や低出生体重児のリスクが高まることも分かっています。

口内環境を健康に保つことが、身体全体の健康を維持することにもつながるのです。

歯槽膿漏の治療方法

歯槽膿漏の原因は細菌です。その原因菌を取り除くことによって歯槽膿漏は治すことができます。

歯槽膿漏の治療で使われる治療法を以下に挙げてみましょう。

スケーリングスケーリングとは、歯根にこびり付いた歯石を取り除く治療法です。歯石は歯槽膿漏の間接的な原因になるため、除去する必要があります。スケーリングでは、専用機器を使って歯石を除去していきます。
デブライドメントデブライトメントとは、歯周ポケットの内部にある歯垢を取り除く治療法です。デブライトメントでは、細菌が生息する溜まり場となる歯垢を除去することで、歯槽膿漏を治していきます。
歯周外科治療(フラップ手術)歯周外科治療(フラップ手術)とは、重症化した歯槽膿漏の治療において使われる治療法です。歯周外科治療(フラップ手術)では、歯茎を切開し、歯周ポケット深くにこびり付いた歯垢・歯石を取り除きます。
レーザー治療レーザー治療とは、レーザーの光や熱によって歯周ポケット内に溜まった歯石を取り除き、歯周ポケット内の細菌を死滅させる治療法です。レーザー治療により、歯周ポケットの奥深くまでアプローチすることができます。
結合組織移植術結合組織移植術とは、歯茎の見た目を回復させる治療法です。重度の歯槽膿漏によって歯茎の見た目が損なわれた場合に行います。
骨移植骨移植とは、歯槽膿漏の重症化によって歯槽骨が溶けてしまった部分に、自分の骨や人工骨を移植し、骨を再生させる治療法です。
エムドゲイン(歯周組織再生療法)エムドゲイン(歯周組織再生療法)とは、歯槽膿漏の重症化によって溶けた歯槽骨などの歯周組織を再生させる治療法です。エムドゲインでは、タンパク質の一種を歯根面に塗ることで歯周組織を再生させることができます。
GTR(歯周組織誘導法)GTR(歯周組織誘導法)は、歯槽膿漏の重症化によって溶けた歯槽骨や歯根膜などの歯周組織を再生させる治療法です。GTRでは、歯周ポケット内の歯垢や歯石を除去し、骨がなくなってしまった部分に人工膜を挿入して歯周組織の再生をさせます。

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